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医師が解説:ヒアルロン酸注入の施術手順と副作用

エイジングケアに関心が高まる中、ヒアルロン酸注入は人気の施術として注目を集めています。今回は、美容外科医の視点から、ヒアルロン酸注入の施術手順と副作用について詳しく解説していきます。

ヒアルロン酸は、私たちの体内にも存在する成分で、水分を保持する働きがあります。年齢とともに減少していくため、注入することで肌のハリや潤いを取り戻すことができるのです。

施術の手順は、まず医師との詳細なカウンセリングから始まります。患者さんの希望や悩みを丁寧に聞き取り、最適な治療プランを提案します。顔のシワや凹みの状態を確認し、注入部位や量を決定していきます。

次に、施術部位の消毒を行います。痛みを軽減するため、麻酔クリームを塗布したり、局所麻酔を行うこともあります。患者さんの快適さを最優先に考えて、適切な方法を選択します。

準備が整ったら、いよいよヒアルロン酸の注入です。細い針やカニューレと呼ばれる先端が丸い器具を使用し、慎重に注入していきます。医師は豊富な経験と高度な技術を駆使し、自然な仕上がりを目指します。

注入後は、軽くマッサージを行い、ヒアルロン酸を均一に広げます。これにより、より自然な仕上がりが期待できます。施術時間は部位や量にもよりますが、通常30分から1時間程度で終了します。

効果は即座に実感できますが、数日間は軽い腫れや赤みが出ることがあります。これは通常の反応で、徐々に落ち着いていきます。効果の持続期間は個人差がありますが、半年から1年程度持続すると言われています。

ヒアルロン酸注入の魅力は、比較的短時間で目に見える効果が得られることです。シワの改善やフェイスラインの引き締めなど、様々な悩みに対応できます。また、体内に存在する成分を使用するため、アレルギー反応のリスクも低いのが特徴です。

しかし、どんな施術にも副作用のリスクはあります。ヒアルロン酸注入の場合、主な副作用として以下のようなものが挙げられます。

まず、注入部位の腫れや赤み、内出血などが起こる可能性があります。これらは通常一時的なもので、数日から1週間程度で自然に改善していきます。

まれに、注入部位に小さなしこりができることがあります。これは、ヒアルロン酸が均一に広がっていない場合に起こりますが、マッサージなどで改善できることが多いです。

極めてまれですが、血管内にヒアルロン酸が入ってしまう血管閉塞のリスクもあります。これを防ぐため、経験豊富な医師による慎重な施術が不可欠です。

また、感染のリスクを最小限に抑えるため、施術後は清潔な状態を保つことが重要です。医師の指示に従い、適切なアフターケアを行うことが大切です。

これらの副作用のリスクを軽減するためには、信頼できる医療機関で施術を受けることが重要です。日本美容外科学会や日本形成外科学会に所属する医師が在籍するクリニックを選ぶことをおすすめします。

また、使用する製剤の品質も重要です。FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けた製剤を使用しているクリニックを選ぶことで、より安全性の高い施術を受けることができます。

施術前のカウンセリングでは、自身の希望や不安をしっかりと伝えましょう。経験豊富な医師は、患者さんの要望を丁寧に聞き取り、最適な治療プランを提案してくれるはずです。

ヒアルロン酸注入の費用は、使用する製剤の種類や量、注入部位によって異なります。一般的に、1ccあたり3万円から8万円程度が相場ですが、クリニックによって料金設定は様々です。複数のクリニックを比較検討し、納得のいく施術を選びましょう。

エイジングケアは長期的な取り組みが大切です。ヒアルロン酸注入と併せて、日々のスキンケアや生活習慣の改善も心がけることで、より効果的に若々しい肌を維持できます。

最後に、ヒアルロン酸注入は決して万能な治療法ではありません。患者さん一人ひとりの肌質や悩みに合わせて、最適な治療法を選択することが大切です。信頼できる医師とよく相談し、自分に合ったエイジングケアを見つけていきましょう。

美しさの追求に終わりはありません。ヒアルロン酸注入を通じて、自信に満ちた素敵な毎日を過ごせることを願っています。

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